ゴールデンウィークやお盆、年末年始等、高速道路を利用して帰省したり旅行するという方も多いのではないでしょうか。
いざという時に、知っておけば落ち着いて行動できる便利な高速道路の豆知識「特別転回」を紹介します。
「逆走」が社会問題に
逆走事故(ぎゃくそうじこ)とは、高速道路や片側2車線以上の幹線道路等において、流入ランプや交差点で間違えて進入し、交通事故を起こすことを言う。そのほとんどが高速で正面衝突するため、死傷者の発生する事故となっている。逆走事故はインターチェンジ(複雑になるほど発生しやすい)、サービスエリア、パーキングエリアが多い。
高速道路会社6社と地方公社3社が管理する高速道路で確認された逆走件数は2002年-2008年までの7年間で計7146件確認されており、連日のように全国で逆走事故が発生している。
引用:Wikipedia
7年間で7,000件以上ということは、平均して1日あたり2件程度発生しているということですね。
TVで報道されているだけでも多いなーと思っていましたが、これほど多いとは驚きです。
逆走の原因は
出口側からの誤進入もあるのですが、実は行き先を間違えた際にUターンすることで逆走することや目的のIC(インターチェンジ)を通り過ぎ、本線車道でUターンして逆走する場合もあるんです。
なお、事故の約7割は65歳以上の高齢者が起こしていると言われていますが、そのうち、認知症の疑いのある人は、約1割に留まっています。
逆走は、認知症でなくても起こしてしまう可能性のあるものなので、いざという時でも冷静に判断することが必要です。
「特別転回」という制度があることを知っておこう
行き過ぎてしまったら
いくら気を付けて運転していても、高速道路で長時間、長距離を運転しているとついうっかり、目的のICを行き過ぎてしまうことや、誤って違う方向の車線に乗ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、その時に慌てて、Uターンすることは絶対にやめましょう。
次のICを目指す
Uターンやバックすることなく、冷静に次のICを目指してください。
次のIC出口で料金所スタッフへ申し出
ETCレーンではなく料金所スタッフがいるレーンへ向かい、目的地を行き過ぎてしまった旨を申し出てください。
料金所スタッフが目的のICに戻れるように指示してくれますので、その指示に従いましょう。なお、多くは特別転回証明書というものは渡されるのですが、出ない場合もあるそうです。
また、その際に氏名等を聞かれる場合があります。
高速道路の通行料金は
その際の通行料金は、乗ったICから行き過ぎたIC迄ではなく、目的のICまでの料金となります。
誤って行き過ぎたICから目的のICまでの通行料金もかかりません。
第51条 単純支払方式の高速道路において、通行止めその他の理由により当社の指示により本線上で転回する場合は、当社は、退出するインターチェンジ等を指定した上で、利用者に特別転回証明書を交付します。ただし、転回する車両に対して次項の処理を行う場合において他の車両と区別できるときは、交付しません。
2 利用者が指定されたインターチェンジ等から退出した(前項で特別転回証明書の交付を受けている場合は、当該証明書を提示又は提出した)場合において、当該利用者がすでに当該通行区間の料金を支払っているときは、払戻しを行います。なお、当該通行区間の料金を支払っていないときは、当該指定された料金所で料金を支払うことなく通過できます。
引用:高速道路営業規則 第7章 特別な通行をした場合の料金(NEXCO東日本HPより)
注意点
・NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本ではこの「特別転回」という制度がありますが、首都高速ではありません。
・NEXCOでもインターチェンジの構造によっては対応できない場合があります。
・バーが開かないことがあるので、ETCレーンから入ったとしても、出るときは必ず料金所スタッフのいるレーンから出るようにしてください。